子供から高齢者まで、幅広い年齢層の患者がいる整形外科ですが、そこで働く看護師はどんなことに注意して、どんなことを知っておけばよいのか?

整形外科の看護師について、仕事内容から給料、メリットやデメリットまで見ていきましょう。

整形外科の看護師

整形外科の特徴と全体の概要

整形外科の看護師求人

整形外科の特徴
まずは整形外科の
概要や特徴を
簡単に知ろう!
最初に全体像を
知るのが大事!

整形外科は、内臓、皮膚を除き、人間の身体を動かす運動器系の疾患を診断、治療する診療科です。

  • 骨・関節などの骨格系
  • 神経系
  • 筋肉
  • 靭帯

などを扱います。

扱う部位によりいくつかに分類され、対象疾患は以下の通りです。

脊椎外科 頸部脊髄症、腰部脊柱管狭窄症、椎間板ヘルニア、脊椎脊髄損傷、脊椎圧迫骨折
手の外科 肘部間症候群、テニス肘、上腕骨顆上骨折
肩関節外科 若年層の反復性肩関節脱臼、高齢者の腱板断裂
股関節外科 小児先天性股関節脱臼、変形性股関節症、特発性大腿骨頭壊死症
膝関節外科 足の外科:変形性膝関節症、特発性大腿骨下顆部骨壊死
スポーツ医学 膝前従事靭帯損傷、半月板・骨軟骨損傷
リウマチ外科 関節リウマチ、自己免疫疾患に伴う関節炎
骨、軟部腫瘍外科 骨や軟部組織に発生した良性・悪性腫瘍
骨代謝疾患 骨粗鬆症、骨代謝性疾患
小児、先天性疾患 先天性股関節脱臼、内反足、ペルテス病、脊柱側彎症、大腿骨形成不全

この様に

  1. 先天性疾患を持つ新生児
  2. スポーツ外傷を起こしやすい青年期
  3. 退行性・変形性疾患が起こってくる老年期

まで、全てのライフステージの患者層を診るということも整形外科の特徴です。

そして、これらは全て日常生活を行う上で必要な動作や機能を妨げるものであり、その改善を図る為、

  • 手術などの外科的療法
  • リハビリテーションなどの運動療法
  • 薬物療法
  • 物理療法

などの保存療法が行われます。
 
また、高齢化に伴い運動器障害が増加し、従来の運動器機能障害対策のみでは解決できない時代が到来しました。

日本整形外科学会では、2007年に「ロコモ(ろこも)」を提唱しています。

日本整形外科学会では、運動器の障害による移動機能の低下した状態を表す新しい言葉として「ロコモティブシンドローム(以下「ロコモ」)(locomotive syndrome)」を提唱し、和文は「運動器症候群」としました。

Locomotive(ロコモティブ)は「運動の」の意味で、機関車という意味もあり、能動的な意味合いを持つ言葉です。

出典:新概念「ロコモ(運動器症候群)」|公益社団法人 日本整形外科学会

要支援、要介護認定されている人も増加を続け、2014年度には600万人を突破し現在は607万人と報告されています。

介護の主な原因で、運動器疾患(関節疾患、骨折・転倒など)は21.1%を占めています。

出典:要介護者等の状況|厚生労働省

この様な社会情勢からも運動器を扱う整形外科では、ロコモの予防に努め、患者さんのQOL向上を目指しリーダーシップを執る役割があると言えます。

整形外科で働く看護師の仕事内容・役割

整形外科で働く看護師の仕事内容・役割
整形外科の看護師は
どんなことするのか
難しいのかなぁ…

外来

整形外科は、小児から高齢者まで幅広い年齢層が受診します。年齢層により疾患にも違いがあります。

骨折

膝痛

小児や若年層では、運動中の怪我や骨折、作業中の外傷などが多く、高齢者では圧迫骨折や転倒での大腿骨頸部骨折、膝痛などが多く見られます。

緊急の場合も多いので、X線などの検査指示を予め受けたりと臨機応変の対応が必要です。

問診

初診時の問診では、発症までの経過や主訴を聴取し、外傷の場合は状態を観察し整形外科か、外科か医師の判断を仰ぎます。

圧迫骨折や関節痛などでは、内服薬が処方されることが多い為、特に高齢者では既往歴や内服中の薬などの情報も正確に把握しておくことが大切です。

診察介助

外傷や骨折など緊急処置が必要なことが多い為、医師の診察や診断がスムーズに行われるよう援助します。

小児では、診察に対する不安や恐怖感を与えない様、環境を整えたり声掛けをします。

高齢者では、移動が負担なく出来るよう介助も大切です。患部が良く見える様、予め衣服を整えておくことも必要です。

検査介助

整形外科において行われる検査は、次のようなものがあります。

  • 各種画像診断:X線、MRI、CT、超音波検査、造影検査(骨シンチグラフィー、ミエログラフィーなど)
  • 電気生理学的検査:神経伝達速度、筋電図(EMG)
  • 骨密度検査
  • 関節鏡:膝、肩、足関節などに
  • 関節穿刺
  • サーモグラフィー:末梢循環不全、四肢疼痛障害などの評価、診断

などです。

食止めや検査前処置が必要な検査もある為、事前に詳しく説明していきます。

不安感などは医師ではなく看護師に言いやすい為、不安の軽減につながる様な精神的ケアもとても大切です。

検査中は患者さんが緊張しない様、適時声掛けし、また状態観察を常に行い異常の早期発見に努めます。

緊急手術の準備

事故などで緊急手術が行われる場合もありますので、検査室や手術室のとの連携をとり、迅速かつスムーズに手術に入れるように進めていくのも看護師の役割となります。

処置準備・介助

整形外科では、外傷や骨折などの処置に伴い特徴的な業務がいくつかあります。

  • 包帯まき
  • ギプス巻きの準備、介助
  • 外傷の処置

などがあります。

病棟

病棟での看護は、術前術後の急性期と退院に向けた回復期に分けられます。

急性期は術前術後の管理、回復期は早期離床とリハビリを中心に進められます。

術前のオリエンテーション

整形外科では、骨折などで手術を目的として入院するケースが多いです。

医師からも病気や手術に関しては説明がされますが、実際の手術までの流れや術後の様子などは看護師から説明する必要があります。

術前のオリエンテーション

パンフレットなどを使い、必要物品の説明から始まり、食止め、使用する薬や処置など手術前に行うことについて細かく説明します。

また、術後の経過や創の痛み、食事や安静について等も説明し、術後がイメージできる様にします。

どの様な手術であれ、麻酔を受け術後創ができます。手術を受けることに対する不安は誰しもが持ちうるものです。

それらの不安を少しでも軽減し、落ち着いて手術に臨める様にする為、術前のオリエンテーションはとても大切になります。

術後管理

術後は、疼痛コントロールで苦痛を軽減すると共に、術後合併症を起こさない様、状態観察をよく行い異常の早期発見に努めます。

患部の良肢位の保持や循環障害、神経障害がないかもよく確認していきます。

点滴ルートやドレーン、モニター類など挿入物や装着物が多くなる為、管理をしっかり行って行く必要があります。

また、廃用症候群の予防、早期離床を目指し、出来る範囲でのリハビリも行っていきます。

日常生活ケア

術後は患部の固定などで、安静度が制限されることが多い為、日常生活全般のケアを行います。

体動が出来なかったり、しばらくは床上安静になる為、

  • 食事
  • 排泄
  • 清潔ケア

などもベッド上で行われます。

体位や患部の角度保持がとても重要な為、十分注意しながらケアする必要があります。ケアを行いながら、皮膚や患部の状態、褥瘡好発部位の観察を行います。

褥瘡予防や同一体位での苦痛軽減の為、指示範囲内での体位交換も大切なケアの一つになります。

移動できるようになれば移動時の介助や環境整備をしっかり行い、転倒などの事故予防に努めます。

また、患部以外は問題なく意識もしっかりしている患者さんが多いです。ケアを行う際は十分な説明とプライバシーへの配慮が大切になります。

リハビリのサポート

整形外科では、術後早くからリハビリを始めるのが望ましいとされています。

リハビリ

特に高齢者では、症状生活は筋萎縮や関節拘縮、心肺機能の低下が進み、廃用症候群のリスクが高まります。

急性期でも深呼吸、患部以外の関節屈伸など出来る範囲での動作を促し、早期離床につなげることが大切です。

回復期に入ったらADLの評価を行い、理学療法士が中心になりリハビリプログラムが進められます。

日常生活の中で継続できる様、動作の援助はもちろん、声掛けなど精神的なサポートを行うことが看護師の役割になります。

心のケア

突然の事故や転倒などでの緊急手術も多く、患者さんは心の準備もないまま手術をせざるを得ない状況になります。

術後は

  • 疼痛
  • 患部固定
  • 安静度

のため体動が制限され、不安、イライラなどが生じ易く、

回復期には

  • 手術によるボディイメージの変化
  • 機能障害
  • 運動制限や生活様式の変更

なども余儀なくされる場合もあり、患者さんの精神的ストレスは計り知れません。

不安を軽減できるような十分な説明や声掛け、適切なアドバイスなど、患者さんの個別性に合わせ心に寄り添ったきめ細かいサポートがとても大切になります。

他職種との連携

整形外科は術後にリハビリを行うケースがほとんどです。

また、車いすや歩行器の使用を続ける必要があれば、退院後の生活様式が変わることになります。なので、

  1. 理学療法士
  2. 作業療法士
  3. 在宅ケア関連部署
  4. ソーシャルワーカー

などと協力し、チームでケアできるように体制を整えます。

そして、ADLの拡大を図り、退院後の生活や療養がスムーズに進められる様、看護師はコーディネータ―として各部署との連携を図っていく役割があります。

整形外科で働く看護師の給料

整形外科で働く看護師の給料
整形外科の給料は
どのくらい?
高給もらえたら
嬉しいなぁ…

病棟勤務では、1ヶ月夜勤を4回程度込みで、25~37万円前後です。経験年数や地域によって上下が見られます。

ボーナス込みの年収で見ると、370~530万円前後です。

日勤のみでは、ここから毎月5万円程度のマイナスとなり、年収では310~470万円前後になります。

パート勤務では、1,700~2,000円程度です。

整形外科特有の手当てなどはない為、平均的な金額になっています。

看護師が整形外科に転職するために勉強しておくと良いコトやオススメの参考書

看護師が整形外科に転職するために勉強しておくと良いコトやオススメの参考書
本読んで
勉強すっか!
眠いよぉ
Zzz……

まず基本となる骨格、筋肉、神経の解剖生理について勉強しておくのが必須でしょう。

高齢者では大腿骨頸部骨折や変形性膝関節症の症例が特に多いので、すぐ対応できるようにポイントをおさえておくと良いかもしれません。

術前術後看護、特に術後合併症についてや良肢位、安静度、リハビリについても知識が必要です。

整形外科系の参考書としては、以下のようなものがあります。

  • 整形外科ナースのための運動器画像診断 遠藤 健司 
  • 整形外科 疾患別 看護マニュアル: フローチャート&チェックリストですぐに役立つ (整形外科看護2013年秋季増刊) 単行本 – 2013/10/23 飯田 寛和 (監修)
  • ナースが話せる!患者がわかる!関節リウマチの治療とケア 単行本 – 2009/10/22  勝呂徹 (著)

看護師が整形外科に就職するなら志望動機はどう書くか

看護師が整形外科に就職するなら志望動機はどう書くか
志望動機とか
書くの苦手だよぉ
まぁ、ぶっちゃけ
全部転職サイトの人に
投げちゃうけどね

なぜ整形外科を目指そうと思ったのか

どの科にも通じる内容ではなく、なぜ整形外科を志望するのか、何をしたいのかなどを入れましょう。

緊急を含め手術を要する患者さんが多い科です。

急性期、術前術後、回復期の看護、そして小児から高齢者まで幅広い患者さんが対象になるのが整形外科です。

整形外科の中でも疾患や部位により、細かく分類されています。

  • 特にどの分野に興味があるのか
  • 急性期、回復期、リハビリなど、どこに力を入れて学んでみたいか

など、具体的な内容を考えた方が良いでしょう。

整形外科に興味を持ったきっかけや患者さんとのエピソードがあればよりインパクトがあります。

自分が出来る事はなにかをアピール

  • 整形外科の経験があればその内容(こんな疾患を見て来た、リハビリの知識があるなど)
  • 他科であれば整形外科ではその技術をどの様に活かせるか(外科にいたならば術後合併症予防に詳しいなど)
  • 新卒や経験が浅い場合は整形外科に対する熱意(ロコモ予防について学び啓蒙に関わりたいなど)

が伝わるような内容を記入し担当者の印象に残るようにしましょう。

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整形外科で働く看護師の2つのデメリット・大変さ

デメリット

①身体ケアが多く体力が必要

整形外科では、痛みで動けない人や術後の体動制限により床上でのケア、体位交換や移動介助が多くなります。その為、力を要することが多く、腰や膝への負担が増えます。

緊急手術も多く、準備や対応に追われることも多いです。

高齢者が多く、転倒防止に常に気を配り、介助や環境整備に時間がかかることもしばしばです。

②コミュニケーション力が必要

若年層の患者さんや意識がはっきりしている患者さんが多い為、あいまいな対応は許されず、しっかりとしたコミュニケーション力やプライバシーにも配慮できる気遣いが必要です。

整形外科で働く看護師の3つのメリット・やりがい

メリット

①患者さんの回復を実感できる

死亡退院が比較的少なく、手術や治療後は回復の様子がよく見えます。

術後管理やリハビリで良くなっていく姿を見れる為、看護の成果が実感でき、やりがいを感じられます。

②幅広い年齢層の看護が出来る

小児から若年層、老年層までとても幅広い年齢層が対象になります。

それぞれの特徴も学べ、年齢層に合った看護を展開することが出来るのは魅力の一つです。

③専門的な知識・技術を習得できる

緊急も含め手術が多い為、一通りの流れを把握でき準備や対応方法を習得できます。

術後合併症の看護はもちろん、リハビリについても知識、技術を学ぶことが出来ます。

整形外科看護でスキルアップできる資格もあります。

  • 運動器看護師
  • 運動器リハビリテーションセラピスト

整形外科は体力的にはハードですが、高齢化社会におけるロコモ予防など、現社会でのタイムリーな問題に関わっており、健康で幸せな社会を築いていく上での役割はとても大きいと言えます。

そのような自負心をもって働けることは、整形外科で働く大きなメリットと言えるでしょう。

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