- 作者:鈴ノ木ユウ
- 出版社:講談社
- 掲載誌:モーニング
- 巻数:既刊15巻
▼ 目次
コウノドリの概要や設定
鈴ノ木ユウ先生のコウノドリ。産婦人科医療を男性誌で描いた異色の青年漫画。
出産は病気ではない。だけど出産は奇跡。
聖ペルソナ総合医療センターは年2000件もの出産を行いますが、そのうち300件は命の危険と隣り合わせ。
出産は、本来病気ではないので保険は利かず、無事に生まれれば医療の出番もありません。
だからこそ忘れがちな、『赤ちゃんが無事生まれてくること』の奇跡。
産婦人科は、病院で唯一の「おめでとう」が聞こえる現場でもありますが、そこにいる医師や看護師、助産師たちの日々の葛藤が描かれていて、けっしてドラマティックでもお涙頂戴でもない淡々としたドキュメンタリーのような漫画です。
コウノドリのストーリーについての評価
毎回テーマがあり、
- 風疹
- 妊婦の受け入れ拒否
- 未成年の妊娠
- 無脳症
- 性感染症
- 口唇口蓋裂
- 子宮外妊娠
- 未熟児
- マタニティーブルー
- 虐待
- 帝王切開
- 妻と赤ちゃんどちらかを優先しないといけない現実
などのテーマで物語は展開されます。
生まれてくる子供の問題、夫婦間の問題、全て現実に起きている出来事なのですが、コウノドリ先生は「生まれてくる命に罪はない」と様々な出産に立ち向かう姿がとても印象的です。
コウノドリ先生のような先生がいてくれたらなぁと漫画を読んでて感じます。
ストーリーにとてもリアリティがあります。
たとえば「妊婦のタバコ」の話では、医師から禁煙を命じられた妊婦が隠れて吸ってしまって倒れたり、「つわり」の話では上司が辛さを分かってくれず遅刻や休みに小言を言うなど、良い妊婦や良い環境ばかり描かれません。
また、キャラクターに関しても、”特別な人”は出てきません。普通の女性が、普通に妊娠して、突然命の危機になったりします。
残酷だけれど、「それが現実だよな」と思わされました。
子供がいない人は特に、自分が妊娠・出産するときのことを想像するとき、
誰しもが、「順調な妊娠・健康体の赤ちゃん」を頭に浮かべると思いますが、そんなことは誰にも約束されていない
ということに気づかされました。
コウノドリの面白かった点・良かった点など
妊娠・妊婦に関するストーリーも面白いのですが、私が個人的に面白かったのは、産婦人科で働く人たちのエピソードです。
特に、助産師の立場や、その恐怖心へフォーカスしたストーリーは、関係者への熱心な取材のもと描かれていることが伝わってくる、深い内容でした。
「自分が優れた助産師だと思ったことはないけれど(中略)続けられたのは私がすごく臆病だったからだと思うの」
というベテラン助産師さんの台詞が胸に残っています。
妊婦さんや家族が期待している幸せな未来を守らなければいけないという重圧は、ものすごい恐怖心となって、医療現場の人たちにのしかかっていることを知りました。
コウノドリの不満だった点・問題点・難しかった点など
医療の専門用語などが出てくると、どうしても難しく感じられてしまいました。
社会問題を描いている漫画の役割として大切だと思うのですが、台詞が説明口調だったり、かたい言葉が続くことが多いので、苦手な方は退屈に感じるページもあるかもしれません。
また、リアリティを尊重しているので、救いのないストーリー展開も大いにあります。
これを読んで、妊娠・出産が怖くなったという方もいるかもしれません。私も、正直に言うとそうなりました。
けれど、それが現実ですし、覚悟とは少し違うけれど、情報を十分に蓄えたうえで選択する自由が私たちにはあると思うので、ぜひ、自分のための前向きな情報収集という気持ちで漫画を手にとってほしいと思います。
コウノドリはどんなことが伝えたかったのか?
この漫画をあえて青年誌で連載したところに、「女性はもちろん、男性にこそ、妊娠・出産に関する正しい知識・情報を届けたい」という作り手の想いを感じます。
色々な問題を抱えた妊婦が出てきますが、すべての妊婦に共通している問題は、「パートナーとの関係」という問題です。
妊娠や出産を女性だけの問題にしないという社会への提案が込められていると思います。
そして、その提案は、「たくさんの奇跡が偶然重なって生まれてくる命を、大切にしよう」というメッセージに繋がっていくと思います。
よく、「命は大切だ」と聞きますが、具体的にどう大切なのか、私はわかりませんでした。
けれどこの漫画は、
- 生まれてくること
- 生き続けること
- 健康でいれること
が、どんなに尊いことなのか具体的に教えてくれるので、あたりまえに自分が生きている今日を、とても大切に思うことができました。
また「出産の主役は母親。どんなに協力的な父親だって脇役にしかなれない」というセリフは言い得て妙でグッと来ました。
このセリフのシーンではブクブク太りまくる母親に対するセリフ。
妊娠高血圧症にもなってしまうと命の危険性にもなるので気をつけなければならないけど、旦那は何も言う事ができず。。
妊婦さんも大事だけど父親の立場で描かれるシーンもあるのでいろいろ考えさせられます。
私は現在第2児妊娠中のため父親の存在はとてもありがたく思ってます。
『コウノドリ』は出産妊娠というテーマを多角的にとらえて、シビアだけどラストはどこか温かく描かれるような医療マンガだと言えます。
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