看護師として働いている中で皆さんも一度は思ったことはがありませんか?「もう辞めたい」と。
2015年度の病院看護調査では、なんと
- 常勤看護師の離職率10.8%
- 新卒看護師の離職率7.5%
という結果が出ました
出典:日本看護協会 広報部
また、現在勤務している75%もの看護師が看護師をやめたいと考えたことがあるということもわかりました
とても高い割合ですよね。なぜ看護師をやめたいと考える人が多いのでしょうか。
▼ 目次
人間関係によるストレスで辞めたい

自律神経やられる…
看護師なのに
看護が必要だわ…
看護師業界にかかわらず、第一前提として気持ちよく働くには、まずは人間関係の良さが重要です。
人間関係がうまくいっていないと、報告・連絡・相談が円滑に行うことが困難となりミスが生じやすくなります。
① 新人看護師の場合
新人の頃はプリセプターの先輩や指導してくれる先輩との関係性が重要となってきます。
先輩が質問をしやすい雰囲気を作っていてくれると、わからないことや困ったことを相談しやすい環境であるといえます。
しかし、
- 新人のことを避けようとしてたり
- 冷たく厳しい態度ばかりだったり
- 質問をされたときに嫌な顔をしてたり
そんな感じだとどうでしょうか。
言うまでもなく、新人の頃は慣れない環境で働くにあたりストレスを感じることが少なくはありません。
そのことに加え、先輩とのコミュニケーションがうまくいっていなければさらにストレスを感じてしまいますよね。
② 中堅看護師の場合
看護師は一般的な職種と違い、経験年数3年目で中堅扱いをされることもあります。このころより新人や後輩の指導を任される看護師も多いのではないでしょうか。
指導するにあたり、新人や後輩との人間関係に悩まされることも少なくありません。後輩に指導する中でなかなか自分の意図することが伝わらず、もどかしい思いをすることがあります。
また、ほかのスタッフや上司と、指導する新人の間で板挟みになってしまうこともあるでしょう。
③ 多職種とのかかわり
どの年代の看護師にも共通してストレスの要因となっていることは多職種とのかかわりです。
患者様にとって一番良い看護を提供するためには医師や看護師だけと関わればいいのではありません。理学療法士や栄養士、薬剤師など病院で従事する様々な職種とかかわっていく必要があります。
あなたも連絡を取りづらいと思ったことや、看護師としての意見を伝えにくいと思ったことはありませんか?
看護師と他職種との距離があるとコミュニケーションを円滑に行うことは難しくなります。看護師の業務をこなしながら多職種とも連携を図ることは、患者様のためとはいえとても大変なことですよね。
⇒看護師の人間関係が正常か7つのチェック項目!改善はできる?
待遇・環境が悪くて辞めたい

頑張れるかも……
年収1000万円とか
VIP待遇してよ!
金が全てだぜうへへ
働く病院により待遇や環境は大きく異なります。
仕事量や患者様の人数に対しての看護師の配置割合、一か月あたりの夜勤の回数、給料など挙げればきりがありません。考えられる理由のいくつかをピックアップしてみます。
① 給料が安い
みなさんも「給料が安い」と感じたことはありませんか?
一般的に看護師はほかの職種よりも給料が多いといえます。夜勤をしていると夜勤手当がつきますので給料はあがります。
しかし、夜勤の仕事内容はとてもハードですよね。仮眠をとることができずに一晩中走り回ることもあります。
また、専門的な知識を要し、つねに緊張感を保ったまま働かないといけないため疲労は増すばかりです。
看護師としての仕事内容と給料が見合ってないと感じる方も大勢いるかもしれません。
そんな時にほかの病院の看護師の給料が高いという情報を知ると、現在働いている職場をやめてほかの病院へ転職したいと考えるようになってしまいますよね。
② 人員が不足している
現在、日本の看護師不足は悪化の一途をたどっており、どの病院も看護師の確保が深刻な問題となっています。
あなたの働いている病院は看護師の数は基準を満たしていますか?
病院の看護師配置の基準が7:1(患者数:看護職員)だとします。
もし患者数が50名であれば看護師が最低8名は必要となります。この割合を満たしていないと、看護師一人にかかる負担は大きくなります。
そうなると患者様に適切なケアをすることが難しくなり、自分の考えている看護師の姿と離れてしまします。このことがストレスにつながるのではないでしょうか。
逆に、看護師の人数が足りていても一人の看護師にかかる負担が大きい場合もあります。医療が進歩するに比例し、看護師に求められる知識や技術も高度となってきています。
また、例えばあなたの働いている職場の看護師の配置は施設基準ギリギリだとします。隣の病院は施設基準より多くの看護師が在籍しているとします。
隣の病院のほうが仕事をしやすいと感じ、辞めたいと思ってしまうこともあるでしょう。
③ 自分のライフスタイルの変化
看護師を続けていく中で、自分のライフスタイルが変化する機会が出てきます。例えば結婚や出産です。
2007年の調査の結果、結婚や妊娠・出産がきっかけで退職する看護師は30%近くいるということが分かっています
出典:看護師の離職理由
独身の頃は休日の勉強会の参加や残業をすることになっても、自分の都合で動くことができます。しかし結婚し家庭を持つと、自分ひとりの都合で行動することが難しくなってきます。
また子供が生まれると、預け先の確保や子供の急な体調不良が起こった場合のことも考えなければいけません。最近は病院内に託児所や保育所を併設しているところも多くなってきました。
年収よりも働きやすさを重視したほうが家庭と仕事の両立がしやすいのではないでしょうか。
正社員が辛いならば、アルバイトや非常勤という勤務形態も考えるのが良いでしょう。
理想の仕事内容と現実の違いに打ちのめされて辞めたい

ハードだったりして
ギャップに苦しむぅ
白衣の天使どころか
闇に堕ちそう……
看護師として働いているうちに、自分の理想とする働き方との違いを感じることがあると思います。
① 残業が多い
2012年に行われた調査によると、看護師の1か月の時間外労働は平均14.1時間であり、そのうち時間外手当が支払われた時間は8.1時間ということが分かりました。
実際に行った時間外労働の時間数14.1時間、時間外手当が支払われた時間数8.1時間であり、いわゆる不払い残業の存在が推測される。
なお、看護師長、副看護師長、主任相当職などの中間管理職および監督職では、時間外手当の支給対象者が73.1%にとどまり、実際に行った時間外労働の時間数、手当が支払われた時間数もそれぞれ19.2時間、11.3時間である。
出典:看護協会 時間外手当
場所によっては、終業前の情報収集や準備で1時間前出勤が当たり前となっているところもあります。
② 夜勤が多い
2004年から2015年の間に行われた調査の結果、二交代病棟で従事している看護師のうち、一か月に4回以内の夜勤で収まっている看護師は全体の70%ほどだということが分かりました。
5.5回以上夜勤をこなしている看護師も10%ほどいます。
夜勤をすることでもらえる給料はあがりますが、生活リズムが崩れ体調不良の原因となることもあります。
③ 希望していた働き方ができない
一番多いのは希望していた科と配属された科が違うということではないでしょうか。私自身経験があります。最初は消化器病棟を希望して面談でも伝えていました。
しかし、実際に配属された先は整形外科病棟でした。私の場合、「病棟がいい」という希望は通っていたので良いかもしれませんが、中には「病棟を希望していたけど手術室になった」という方もしました。
全看護師を希望する部署へ配置できないことはわかりますが、希望と違うとモチベーションの低下にも関係してきますよね。
責任の重さ・重圧に潰されそうで辞めたい

あたしのミスで
大事故になるという
常にピリピリした環境
一瞬も心が休まらん
「命を預かる」という責任の重さをストレスに感じている看護師も多いです。
これは少し古いデータですが、2009年の調査で「医療事故を起こさないか不安である」と感じている20代~30代の看護師の割合がとても高いことが分かりました。
- 薬の管理
- 与薬方法、吸引
- 採血
- 経鼻栄養チューブの挿入
など、日常的に行う業務すべてが事故につながる可能性があります。
すべての業務に細心の注意を払っていても、インシデントや事故を起こしてしまうことが起こってしまいます。
また、看護師として働いていくうちに患者様の死と直面することもあります。
とてもつらく苦しくなりますが、それでも乗り越えていかなくてはなりません。このことも「辞めたい」という気持ちに大きく影響しますね。
辞めたいと思ったときに考えること
看護師を辞めたいと思ったときに考えなければならないポイントがあります。
それは
- 「看護師自体をやめたい」のか
- 「看護師は続けたいが、今の職場をやめたい」のか
ということです。
看護師として働くことがしんどくなった場合、もちろんほかの職に再就職するということもできます。
しかし、せっかく大変な思いをして得た看護師という仕事ですので、できる限りは看護師として働くことを選択する方が多いのではないでしょうか。
看護師の資格を生かして働くことができるのは病院だけではありません。
- 訪問看護
- 保育園
- 美容外科クリニック
- 介護施設
- 産業看護師
など、看護師としての資格を生かせる場所はたくさんあります。病院外での仕事に目を向けてみるといいかもしれませんね。
漠然とした状態で転職活動を行っても、また同じ結果を繰り返すこととなるかもしれません。
自分が次の職場で働く際、
- 何を重要視するのか
- どこが妥協できるのか
優先順位を考えてみましょう。
また、自分にとって理想的な職場を見つけるためには、自分の中で考えるだけではなく、看護師専門の転職サイトの担当に相談してみるのも一つの手です。
以上、挙げた内容はほんの一例にしかすぎません。辞めたいと思う理由は看護師の数だけあります。もし本当にしんどい時は、働く環境を変えてみることを真剣に考えてみることをおすすめします。
看護師という職業は、普通のOLの事務職や、そこそこのキャリアの営業職よりも高い給料がもらえますので、それをうまく活用しないのはもったいないと言えるでしょう。
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