尿酸値と聞くと、痛風をイメージする方が多いのではないでしょうか。
痛風を患っている方は予防の為に、原因となる「プリン体」が多く含まれるビールを控えめに摂取しているというのは皆さんご存知です。
しかし、その尿酸値が腎機能にも影響してくることが分かりました。
腎臓(腎機能)の特徴
腎臓には多くの役割があります。簡単に言うと、体内の恒常性を保つ働きをしています。
具体的には、
- ホルモンを分泌して赤血球を作るよう指示を出す機能
- 血液のpH(酸性やアルカリなど)を狭い正常範囲内で一定に保つ役割
などがあります。
また、体内の水分量を一定に保つ機能があります。
身体にとって老廃物を含む不要な水分を、血液を濾過することで尿として排出させる機能ですね。
腎臓では、非常に多くの血液を濾過しますが、体内に再吸収されて実際に尿として排出されるのは健常者だと1日当たり1.0~1.5リットルです。
血液を濾過する部分を「糸球体(腎糸球体)」と呼び、これは毛細血管の塊です。
腎臓の中に,糸球体や尿細管といったミクロの器官がぎっしりと詰まり,尿生成のための役割分担を行う。
消化器系という機能システムには,口から肛門までに肉眼的な器官がいくつもあり,役割分担をして消化・吸収という機能を果たしている。
そして、腎糸球体と腎機能には密接な関係があります。
尿酸の生成過程と排泄経路及び尿酸値に伴う症状
尿酸は食品から摂取するプリン体や、体内での代謝の過程で生じます。
尿酸の排泄経路は
- 汗
- 便
- 尿
であり、これによって体内の尿酸値を適正に(尿酸値2.0~7.0mg/dl)維持しています。
今まで良く知られていたのは、高尿酸血症は痛風の発症リスクであるということです。
高尿酸血症の原因は2つあます。
- 尿酸が体内で過剰に生成されてしまうこと
- 尿酸の排泄量が低下すること
です。
痛風には、代表的な症状として足指の関節に突然激痛が走り、暫くすると症状が消失し、再び症状が出現するという特徴があります。
尿酸値と腎機能の関係
通常、血液中の尿酸値の正常範囲内は「2.0~7.0mg/dl」とされています。
ここで腎臓の構造である「糸球体」に話を戻します。
腎臓には多くの血液が送り込まれていますが、途中段階で血管が分岐していきます。
糸球体へ流入する血液は「輸入細動脈」と呼ばれ、その血管は細いです。
輸入細動脈(ゆにゅうさいどうみゃく、Afferent arterioles)は、ネフロンの排泄機構に血液を供給する血管である。
輸入細動脈は腎臓に血液を供給する腎動脈から分枝した後、毛細血管に分枝して糸球体を形成する。
出典:輸入細動脈
仮に、輸入細動脈の血管抵抗が上昇すると、糸球体に十分な血液が行き渡らなくなり、血液を濾過する能力が低下し尿が生成されにくくなります。
こうなると結果的に腎機能が低下してしまいます。
それに伴い、老廃物や毒素も体内に蓄積し最悪の場合、尿毒症を引き起こします。
最新の研究結果で、「尿酸値」と「輸入細動脈」には密接な関係があることが分かりました。
腎機能低下を意味する「輸入細動脈の血管抵抗の上昇」の原因として、尿酸の値が低すぎる場合、及び高すぎる場合の両方が挙げられます。
尿酸値を適正にコントロールすることは腎機能の低下を予防することに繋がります。
腎臓を保護するためにも尿酸値をコントロールする2つの工夫
① 尿酸値が上がらないようにする方法
プリン体を多く含むビールや食品の過剰摂取を控えましょう。
また、居酒屋など外食の際、プリン体を多く含む
- レバー
- カツオ
- 魚の干物類
を摂取する機会が多いので、出来るときは自炊を意識しましょう。
肉類や脂質中心の偏った食生活も尿酸値が上昇する原因の1つです。
ストレス発散も尿酸値上昇の改善に効果的です。
尿酸値が既に高い人は、排泄を促すため、こまめに水分を摂取するよう心掛けましょう。
② 尿酸値が低くならないようにする方法
プリン体含有量が多い食べ物を摂取しましょう。
具体的には、
- カツオ
- スルメイカ
- 牡蠣
- 鳥レバー
です。
以上、どちらのケースでも言えることですが定期的に血液検査をし、自分の尿酸値の推移を把握し、生活習慣を照らし合わせて対策を考えることも重要です。
まとめ
今まで、尿酸値のコントロールは痛風の予防、再発防止として重要視されていました。
一方で、腎機能低下は不可逆性であり次第に腎不全に移行してしまいます。
腎不全になると生命維持のため、透析という日常生活・仕事に大きな影響が出る治療を生涯に渡り行わなければなりません。
従来、腎不全の原因となる疾患として主に
- 糖尿病
- 慢性糸球体腎炎
- 腎硬化症
がありました。
最新の研究結果により、腎機能低下の原因として新たに「尿酸値コントロール不足」が加わりました。
腎臓には多くの役割を担っていますが同時に、様々な要素で障害を受けてしまう臓器でもあります。
尿酸値は高すぎても低すぎても腎臓への血流が減少し腎機能が低下してしまう為、毎日の生活習慣が重要になってきます。
既に痛風の方や高尿酸血症の方は自分の腎臓を守るためにもより一層の注意が必要です。
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