近年、医療技術の進化、進歩に伴い平均寿命は大きく伸びている。

一方、がんによる死亡者数は毎年増加しており、死亡原因の堂々の第一位である。

がんは昔に比べ治る病気になったとはいえ、依然としてがんが原因で亡くなる人の数は多く、完全に治すためにはやはり早期発見が重要である。

症状が出て病院に行ったものの手遅れだった、という話は誰もが一度は聞いたことがあるだろうし、そうやって命を落とした有名人も毎年たくさん報道されている。

しかし、がんの検査を行うためには病院にいって検査を受ける必要があり、時間がかかったり痛みを伴う検査を受ける必要があるため、なにかはっきりとわかる症状がでないうちは足が遠くなっているのが原状である。

そして今、「線虫」によるがん検査という、検査へのハードルが低くなる技術が注目されている。

「線虫」によるがん検査

「線虫」による、がん検査とは?

最近、線虫という寄生虫を利用した尿を使ったがん検査が話題になっている。

2018年7月4日、これ線虫を利用したがんのスクリーニング検査を実用化に向けて日立製作所とベンチャー企業が加速させると発表したからだ。

これは、線虫が患者の尿中のがんを見分ける、という性質を利用したもので、さらに具体的に言うと、

線虫の「がん患者の尿には近づくががんではない人の尿からは離れる」といった性質を利用したものである。

日立製作所は線虫の動きを自動で撮影、分析する技術を開発したという。

2年後の2020年までの実用化を目指すとのこと。

患者に対する負担が少ない

考えられるメリットはたくさんあるが、一番のメリットは患者に対する侵襲性が低く負担もすくない、ということであろう。

現在がんは、

  • 血液検査
  • レントゲン
  • CT
  • MRI
  • 内視鏡カメラ
  • 超音波

といった検査により診断される。

血液検査を実施するためには採血が必要であるが、侵襲性が高く、痛みや時に針を刺すことによる神経損傷といったリスクも伴う。

胃カメラや大腸カメラといった内視鏡検査は、経験者であればよくわかると思うが検査自体もとても苦痛を伴うし、前日からの絶食が必要な点も負担である。

レントゲンやCT、超音波検査は痛みは伴わないものの、検査をしている間は身体を拘束されるし、リアルタイムで行わなければならないため、一日に実施患者も限られている。

その点、尿を採取するのは採血に比べ全く痛みを伴わず、もちろんカメラを体内に入れる必要もない。

患者の身体を使って行う検査ではないので、尿をサンプルとして採取してしまえば患者は自宅に帰ってもかまわない。

この検査なら多くの人が気軽に行えるのではないだろうか。

診断を間違えたときの責任は誰がとるのか?

線虫をつかったがんの検査は痛みを伴わず簡単に行える検査であり、研究では良好な感度と特異度が証明されているとのことである。

患者から採取した尿検体をつかってがんの有無をスクリーニングするものであるが、線虫が近寄らなければ「がんの疑いはない」という診断になる。

しかし、本当はがんがあるにも関わらず、線虫が近寄らず陰性と判断された場合、誰が責任をとるのであろうか。

線虫?それとも解析する機械?

線虫が責任を取ることができない事は言うまでもないことである。

それでは解析する機械だろうか?

どんなに優秀な機械であったとしても、線虫自体が予想外の動きをしてしまえば正しく解析できないのではないだろうか。

医療における臨床検査は非常に精密な医療機器を使って行われており、それに加え日々の厳しい管理の上に成立している。

毎日毎回、当たり前のように同じ動きをする機械だからこそ正確性が担保されているといっても過言ではない。

  • それではすべての線虫に毎日同じ動きを期待できるのだろうか?
  • 個体差はないのだろうか?
  • そして万が一、自分がその検査で見落とされた場合、虫の仕事だから、と納得できるのだろうか?

これが日本ではなく海外の場合であれば、「その検査を選んだ人の自己責任」という判断になるだろう。

しかし、現在の日本で「選んだ人の自己責任」では済まされないのではないだろうか。

トラブルが発生した際には必ず誰の責任かが問われる現在の日本において、そんな検査を実施している病院が悪い、そんな検査を認めた国が悪い、という結論になるのではないだろうか。

面倒くさがって検査を避ける人を減らせる

医療の進歩は日進月歩であり、がん検査の精度は毎年着実に上がっている。

しかし、どれだけがん検査の精度が向上しても、検査を受けにこないのなら検査の実施は不可能である。

検査を受けなかったためがんの発見が遅れ、結果として命を落とす人はたくさんいる。

今後の医療界の課題としては、検査・診断精度の向上だけではなく、いかにして検査を受けない人に検査を受けさせるかが焦点になってくることであろう。

その点、この「線虫を利用したがんの診断」には可能性がある。

検査は簡単、自分の尿を提出するだけである。

痛みもなければ医療機関を受診する必要もない。

忙しい人でもずぼらな人でも問題なく実施できるでろう。

たとえば、会社で毎年うける健康診断にこの検査を追加してやるのもよいだろう。

まったくがんを疑っていない人に対して実施するのである。

この検査が陰性だったからと言って絶対にがんではないとは言えないかもしれない。

しかし、今より確実に、がんの発見が遅れて手遅れになってしまう不幸な人は確実に減らせるのではないだろうか?

まとめ

ITテクノロジーによるAIが今後ますます盛り上がってくると想定される今の時代に、検査に寄生虫の嗜好を使うアナログさは一周回って新しいと思った。

きっと初めて聞いた時、誰もが自分の耳を疑うことだろう。

線虫の動きは現在の最新技術で判定するということなので、デジタルの最先端とアナログの融合とでも言えばよいのだろうか。

実用化にむけて今後様々な問題はあると思うが、よりよい社会の実現に向けてあらゆる可能性にチャレンジしてもらいたいと思う。

人間はデジタルでは割り切れないアナログなものなのだから。

看護師ライフの快適さを上げるための知識を増やそう

看護師としての自分に合った働き方を探すために
もっと貴方に合う
職場があるかも!
知らないだけで
損してる可能性も…
探す手助けを
させていただきます

雇用形態の特徴を学ぶ
勤務時間のメリットやデメリットを知る
復職方法や応募資格を考える
福利厚生で得をする
病棟以外で働く

現在の職場環境や給料に満足していますか?

看護師は転職することで8割の人が年収が上がると言われています。
実際、私自身が転職して年収132万円アップに成功しました!
大変な仕事のモチベを維持するためにも納得できる給料をもらいましょう!

看護師の転職サイトへ
看護師転職サイトの選び方 オススメの看護師転職サイト人気ランキング