9月27日の読売新聞の記事で、歯科医院で歯を削るために使用されている医療機器の滅菌が十分でなく、院内感染のリスクの高い歯科医院が多いことが取り上げられました。

そのため、厚生労働省が都道府県に対して、院内感染対策を徹底するように通知を出したとのことです。

口の中は、唾液や血液を介してウイルスや細菌に感染するリスクの高い場所です。

感染予防を徹底しなければいけない歯科医院で、院内感染対策が徹底されていないのはなぜでしょうか?

院内感染予防の指導強化

調査対象となり回答のあった歯科医療機関700施設のうち条件を満たした施設は52%

2017年5月に公表された、厚生労働省研究班実施の歯科医療機関に対するアンケート調査の結果があります。

歯科医療機関における院内感染対策について

それによると、歯科医院で歯を削るときに使用する「ハンドピース」と呼ばれる医療機器を、患者さんごとに使用後交換して滅菌処理を行っている施設は52%にとどまりました。

感染症リスクの高い患者さんに使用したハンドピースや、使用中にハンドピースに血液が付着した場合に交換・滅菌を行っている施設も含めると、合計85%の医療機関で医療機器からの感染症を意識したハンドピースの交換・滅菌が行われていることになります。

けれども、歯科医院で治療を受ける際に、滅菌済みのハンドピースが常に用意されている施設は半数程度にとどまっているのが現状です。

推奨されている滅菌法は高圧蒸気滅菌(オートクレーブ滅菌)

医療機関で推奨される医療器具の滅菌法は、高圧蒸気滅菌(オートクレーブ滅菌)という方法です。

これは通常、121℃、2気圧の容器の中で医療器具を20分間加熱してウイルスや細菌を滅菌する方法です。

オートクレーブとは

それを例えてみると、圧力釜の中で熱に強い器具を加熱して殺菌しているのに近い状態です。

この滅菌法で、病原性のあるほぼ全ての生物を死滅させることができます。

このように優れた滅菌法である高圧蒸気滅菌法ですが、滅菌中や滅菌後の冷えていない医療機器はすぐに診療に使用できません。

そのため、医療機関の規模にもよりますが、受け入れられる患者さんの人数の倍の数のハンドピースを用意しておかないと、スムーズな診療活動への支障が出てくることになります。

ハンドピースには1本10万~20万円のコストがかかる事、さらに、ハンドピースに限らず、患者さんに使用した後の医療器具の全てを洗浄、滅菌、保管する必要があるので、その手間が医療スタッフにかかってきます。

これらの院内感染予防対策を、来院する全ての患者さんに対して徹底して行っても、そのコストは診療報酬に積極的に反映されないところなども、今回アンケート調査した医療機関での院内感染対策が不十分だった要因の一つではないかと思われます。

医療機関での院内感染防止は最重要事項だけに監査だけではない対策も必要

このように、院内感染対策が重要なことを理解している歯科医療機関が大半であるにもかかわらず、その実施においてはばらつきがあります。

その一つの理由に、院内感染対策についての推奨方法は以前から指示されているものの、その実施については各医療機関の努力に任せられている現状があるのではないでしょうか。

直接診療報酬に結びつかなくても、施設管理者の院内感染に対する意識が高く、そのためのコストを「必要経費」として計上して院内感染防止に取り組んでいる歯科医療機関も、特別な院内感染対策を行わない歯科医療機関も、同一の評価となっているところがあるからです。

歯科医療での院内感染対策の徹底は、来院する患者さん自身の感染症防止対策として重要であるだけでなく、患者さんに接する歯科医師や歯科衛生士などのスタッフ全員の感染症防止対策でもあります。

医療機関は病気を治すための機関であって、そこで病気に感染する機関であってはなりません。

その前提を維持していくためにも、悪質な医療機関から患者さんが不利益を被らないための検査や指導活動だけでなく、積極的な院内感染防止対策を実施している医療機関への公的な認定制度や、院内感染対策費を評価する対策も必要ではないかと思います。

まとめ

歯科診療においては、ハンドピースは滅菌後に密封パッキングされた状態で診療台の脇のテーブルの上にあらかじめ用意しておき、必要に応じて開封・使用・滅菌する、というシステムができているのが望ましいです。

歯科医院で院内感染の心配なく、誰もが安心して歯科治療を受けられる診療環境の早期実現が望まれます。

<▼ 直近の最新ニュース ▼>

看護師ライフの快適さを上げるための知識を増やそう

看護師としての自分に合った働き方を探すために
もっと貴方に合う
職場があるかも!
知らないだけで
損してる可能性も…
探す手助けを
させていただきます

雇用形態の特徴を学ぶ
勤務時間のメリットやデメリットを知る
復職方法や応募資格を考える
福利厚生で得をする
病棟以外で働く

現在の職場環境や給料に満足していますか?

看護師は転職することで8割の人が年収が上がると言われています。
実際、私自身が転職して年収132万円アップに成功しました!
大変な仕事のモチベを維持するためにも納得できる給料をもらいましょう!

看護師の転職サイトへ
看護師転職サイトの選び方 オススメの看護師転職サイト人気ランキング